気位の高い三毛さん | 街を歩けば そこに猫

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とある公園。
ベンチの側に3匹の猫さんがいらっしゃいました。

『うわっ!見知らぬおっさんが来ちゃった!』

そっぽ向く3匹の猫さん。
茶白さんはすぐに草陰に隠れてしまいました。

キジ白さんと三毛さんは、何やら話し合い。
『変なおっさんが来たけどどうする?』

『どうするって…とても変な顔してるおっさんよ?』

『近寄らないのが一番ね』

離れていく三毛さん。
でも、キジ白さんは逃げませんね。

指を出してみましょう。
『くんくん…酒臭いけど、嫌な予感はしないなぁ』

酒臭いは余計です!

指の匂いを嗅いでくれたので、そのまま撫でちゃいましょう!

『おおっ!これはなかなか…』

『キジ白ったら、誰にでも撫でられるんだから』

離れた場所で寝転ぶ三毛さん。

『三毛ちゃん!このおっさんなかなか撫で上手だよ!指が酒臭いけど』

だから、酒臭いは余計ですってば!

『三毛ちゃんはプライドが高いからなぁ。酒臭い指で撫でられたくないのかも』

『そんな酒臭い指で撫でられてたまるもんですか!』

自分の指、そんな酒臭いくはないと思うんですけどねぇ。
今朝はまだ呑んでませんし。
猫さんには昨日の酒の匂いがわかるんですかねぇ?

『これがわかっちゃうんだよなぁ。でも、撫で方は気持ちいいよ♪』

『もっと撫でてくださいな!』

はいはい、撫で撫で撫で♪

『三毛ちゃん、とっても気持ちよかったよ。撫でてもらえば?』

三毛さんの傍に行き、説得してくれるキジ白さん。

『撫で方はとても上手いよ!指は酒臭いけど』

だから、酒臭いはもういいですってば!

どうです?三毛さんも撫でられてみませんか?

指を出してみると…

『酒臭い指で気安く撫でようとするんじゃないわよ!』

『そんな酒臭い指で撫でられる三毛さんじゃないんだからね!』

思いっきり嫌がられてしまいました。

『三毛ちゃんは気位が高いからなぁ。はぁ』

溜息つくキジ白さん。

『そんなおっさんの酒臭い指で撫でられなくても、いつも撫でてくれる人に撫でてもらうわよ!』

気位の高い三毛さん。
酒臭い指で撫でられるのを拒み続けたのでございました。

ってさ、自分の指酒臭くないから!

 

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