猫路地 ご飯待ち 前編 | 街を歩けば そこに猫

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とある路地。

茶トラさんが道ばたでたたずんでいます。

『おや?変な顔したおっさんが来たね』

『あ…この変な顔したおっさん…開いちゃってるよ』

え?開いちゃってる?
何が?

尋ねようと思ったら、門の中に避難しちゃった茶トラさん。

奥には別の猫さんも居らっしゃいますね。

『ねぇ茶トラさん。このおっさんだぁれ?』
『知らないけど…このおっさん…開いたままなんだよね』

『うわ~っ…本当に開けたままだ!』

だからぁ、何が開いてるんですか?
聞いてみようと思ったけど、2匹の猫さんは隠れてしまって答えてくれません。

ん?背後に気配を感じます。
振り返ってみると…
別の茶トラさんと三毛さんがいらっしゃいました。

『うっわ~っ!このおっさん、全開だよ』

目をまん丸にして驚く茶トラさん。
今度は全開ですか。
いったい何が?

『これだけ言ってもまだわからないのかい?』

あ、この三毛さんは見覚えがあります。
以前にもお会いしていますね♪

で…全くわからないので、何が開いているのか教えて下さいよ。

『社会の窓が全開なんだよ!プププッ』

え?え?え?
これは…大変失礼いたしました!

恥ずかしくて、慌ててファスナーを締めながら路地を後にします。

路地を出ると、すぐの建物の前に3匹の猫さんが居らっしゃいました。

『よし、そろそろだろうから偵察に行ってくる!』

黒さんが歩き出します。
何を偵察に行くんでしょうね?
残った猫さん達に聞いてみましょう。

『もうすぐご飯の時間だからね。黒さんはご飯が出てるか見に行ったんだよ』

なるほど。
ご飯の偵察なんですね。

『ところであんた。開いてるよ』

え?まだファスナーしまっていませんでしたか?

『いや、口がポカンと開いている』

猫さんを見ていたら、思わず口が開いてしまったようです。
これまた失礼いたしました。

『ご飯は出てないけど、みんな集まってるよ』

黒さんから報告が入りました。

ファスナーもちゃんと閉まっているのを確認したことだし、猫路地をもう一度覗いてみるとしましょう。

続きます。

 

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