塀の上のチビさん | 街を歩けば そこに猫

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とある街を散歩中。

塀の上にチビさんを見かけました。

こらこら、有刺鉄線の上に乗っちゃ痛いでしょ!

『だってさ、いつもならいつもの人が来てね…』

『この中にご飯が入ってるのに、今日はまだないの』

『だからこっち側に美味しい物がないかなぁって』

あぁっ!また有刺鉄線をまたぐ。
猫さんは痛くないのかもしれないけど、見てる方が痛いからやめてくださいな。

『じゃぁこの中にご飯入れてよ』

あいにくご飯は持っていないですからねぇ。

『じゃぁまたぐ』

あぁっ!見てるだけで痛い痛い!
またぐなよ!またぐなよ!

取り敢えず指の匂いでも嗅いで気持ちを落ち着かせてくださいな。

ほらほら、ついでに撫でちゃうから!

『指なんかよりご飯の方がいいのになぁ』

『早くご飯が中に入らないかなぁ』

ご飯の容器と思われるラーメンどんぶりをじっと見つめるチビさん。
背中に邪道と書いた革ジャンが似合いそうなのでございました。

そのチビさんのすぐ近く。
塀の上の木の影に、別の猫さんの姿も見えました。

サバ白さん。
色と柄から見て、チビさんと血縁関係がありそうですねぇ。

でも、耳カットされているから違うかな?

サバ白さんはご飯待ちしないのでしょうか?

『ご飯の時間はもうちょっと後。チビは先走ってんのさ』

果報は寝て待てのサバ白さんでございました。

 

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