塀の上の白さん | 街を歩けば そこに猫

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とある路地を歩いていると…

塀の上に白さんがいらっしゃいました。

『見かけない顔だね。ちょっと離れておこうか』

塀の上を移動する白さん。

『ここからじっくりと顔を拝見するとしますか』

いや、それはこっちのセリフです。
じっくりお顔を拝見いたしますよー。

前に花もあしらってみましょう。

『花をあしらわないと綺麗じゃない。そう言いたいんだね?』

え?
い…いや、そんな事はないですよ。
でもね、赤と白で余計綺麗じゃないですか!

『ほんとうにそう思ってんのか…』

そんなにじっと見られると…
視線を外してしまう自分。

あ、角度を変えてこっちからでも、赤と白で綺麗かも!

支柱が邪魔で白さんが目立ちませんね。
失敗。

『失敗だったね。で…いつまで写真撮ってるんだい?』

失敗しちゃったからこの辺りで失礼しますよ。

『もう行くんだね?そりゃ良かった』

最後はニッコリ微笑んで見送って…
じゃなくて、自分が居なくなることを喜んでいるような白さんでございました。

 

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