とある路地。
塀の上に猫さんがいらっしゃいました。
『あ、誰か来た!』

『さて、このおっさんは何をしているのかな?』

猫さんを観察しようと思ったら、逆に観察されてしまいました。
観察されるのは趣味じゃないので、さっさと歩き出すと…
『え?私はただの植木鉢ですが?』

いや、植木鉢じゃないでしょ!
どう見ても猫さんですよ。
『あんた、ただのおっさんじゃないな!?』

いや、ただの猫好きなんですけどね。
植木鉢のふりをしていた猫さんと別れ歩き出すと…
今度は物置の上に白い物が見えます。

猫さんのようですね。
あっ!あなたは…
八の字眉のオッドアイさんではないですか!

もっと近くでお顔を…
『見せてあげないよ~』

塀の上を歩いていってしまった、八の字眉のオッドアイさん。
『もっとよくお顔を見たかったなぁ。なんて思ってるでしょ?』

え?
振り向くと、塀の上からさっきのキジ白さんが見ていました。
『誰か見てるぞ!猫が見てるぞ!』

しっかり観察されていたようです。
観察されるのは趣味じゃないので…ってさっきも言ったか。
とにかくさっさと歩き出す自分なのでございました。
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