『酒臭いおっさんだ~っ!』

一歩踏み出したら走って行ってしまった三毛さん。
え?指も出していないのに酒臭いなんて…
ちょっとショックを受けて歩いていると、今度は別の三毛さんとお会いしました。

老猫さんのようですね。
『知らない人が来たよ』

塀から降りようとする三毛さん。
ちょっと待ってくださいな。怪しい者じゃありません。
『そう言ってさ、酒臭い指の匂い嗅がすんだろ?』

え?指の匂いを嗅いではもらっていますが…
そんなに酒臭くはないと思うのですが。
『いや、有名だよ。酒臭い指のおっさんって』

う~ん…猫さん達の間で有名になってしまいましたか!
『年寄りの昼寝を、酒臭い指で邪魔しないでおくれ』

老三毛さんにも避けられてしまいました。
そんなにお酒の匂いしないと思うんだけどなぁ。
なんて考えながら歩いていると、また三毛さんにお会いしました。

『ん?あんたは噂の…』

え?こちらの三毛さんにも噂は伝わっている?
『おっと、酒臭い指出すんじゃないよ!』

身構えられてしまいました。
すみません。手を洗って出直します。
公園で手を洗って歩き出すと、またまた三毛さんにお会いしました。
『今食事中なの』

『酒臭い指出されたら食欲落ちちゃうからね!』

お食事の邪魔をしてはいけません。
指を出すこと無く立ち去る自分。
そして最後は…
塀の上に居た三毛さん。
『そこからじゃ酒臭い指出せないだろ?』

指出すこと無く、遠くで見るだけで終わってしまったのでございます。
さ、お風呂入ってもう一回手をきれいに洗おうっと。
で…風呂あがりにビールだな!
(ダメじゃん)
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